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遅ればせながら祝一周年突発対談
〜本人抜きで語ってみよう〜

※これは第11話の時点で収録されたものです。


1、浜中奈千佳の場合

柊「……で、何を語れと」
志乃「奈千佳ちゃんについてだって」
夜人「ええと、現在奈千佳さんはヘッドホンで洋楽を聴いています。……え、何ですか、は? ゼブラヘッドは最高? ……はあ、そうですか」
吉田「ゼブラヘッドか。懐かしいなあ」
夜人「……すみません、どちらさまでしょう」
柊「あー、そういえば二人はちゃんと会ってなかったか。こちら、奈千佳の上司らしい吉田さん。吉田さん、こっちが隣に住んでる……」
志乃「結城志乃です」
吉田「どうも、吉田です。よろしく」
夜人「那波夜人です。ええと……上司? え、奈千佳さん会社員?」
吉田「いや、まあ、正確には会社員ではないんけれど。詳しくは口止めされてるんで……」
夜人「口止めって……」

 間。

柊「……えーと、浜中奈千佳。二十七歳。誕生日は十二月二十二日。一人暮らし歴九年と半年。趣味特技、秘密。血液型B……だそうだ」
志乃「それ、奈千佳ちゃんのプロフィール?」
柊「奈千佳に渡された。どうせ会話に詰まるだろうからって」
夜人「……ナイス予想」
志乃「奈千佳ちゃんの趣味ってぬいぐるみ集めじゃないの?」
吉田「ぶっ! ……っ(必死に笑いを堪えてる)」
夜人「よ、吉田さん?」
吉田「あ、いや、その、言い得て妙だと思って、ね(まだ笑いを堪えている)」
柊「吉田さんって、奈千佳と付き合い長いんですか?」
吉田「そうだね、中学校のころからだから……ざっと十五年前かな。うわ、俺も年取ったなあ」
志乃「そんなに長いんですか。なんだか意外」
吉田「いや、卒業してからはほとんど会ってなかったんだ。つい最近、仕事がらみで会って再開したようなものだよ」
夜人「吉田さんと奈千佳さんって同い年なんですか?」
吉田「そうそう。見えないでしょう、あれで二十七だって」
三人「「「見えない」」」
志乃「私、最初、同い年か年下だと思ってました」
夜人「俺も」
柊「俺はカードとか買い物の仕方で少し年上かな、と」
夜人「あ、それはわかる。なんか時々すごい買い物して帰ってくるし」
志乃「私はおうちが裕福なのかなと思ってたけど。お嬢様とか」
夜人「あー……確かに」
柊「そこんとこどうなんですか?」
吉田「昔と変わってなければ、特別お金持ちっていうわけでも。まあ、変わってるといえば変わってるかな」
志乃「変わってる?」
吉田「言っていいのかな、これ。(奈千佳を見る・なんかノリノリ)……いいか。18禁ゲームのシナリオライターと小学校教師のご両親に、月刊誌に連載中の漫画家のお兄さん」
夜人「うわあ」
柊「それはなんというか」
志乃「でも、納得できちゃう不思議」
(一同頷く)


奈千佳「……別に普通の親と兄貴なんだけどねー、ただ節約で悩むよりは欲しいもの買って悩む家族だから家計はいつでも火の車ー」


柊「ん? 奈千佳なんか言ったか?」
奈千佳「ううん、なんにもー」



2、吉田一樹の場合

柊「えー、吉田さんは現在、ヘッドホンでT.M.Revolutionを聴いているそうです」
奈千佳「ファンなんだよねーあの人。変わってないなあ」
夜人「中学校のころからの知り合いなんだって?」
奈千佳「うん、そう」
志乃「中学生のころかあ……奈千佳ちゃん可愛かっただろうなあ」
奈千佳「……いやいや、吉田さんについて話し合おうよ(棒読み)」
柊「それもそうだな。で?」
夜人「うん。で?」
志乃「吉田さんってどんな人?」
奈千佳「……あのう、なんで集中砲火なんでしょうか」
志乃「だって私たちさっき会ったばかりだし」
夜人「そうそう」
奈千佳「いやいやいや、そこはみんなの吉田さんに対する印象をさ」
柊「印象ねえ……落ち着いた人だとは思ったな」
奈千佳「……………………落ち着いた? あの人が?」
志乃「うん、立派な社会人さんって感じ」
夜人「大人だよなー」
奈千佳「……………………いや、まあ、社会人だし、大人だし、……そうなのかなあ」
柊「で、奈千佳は?」
夜人「そうそう、奈千佳さんは最初どんな印象だった?」
奈千佳「最初っていうと……んー、《すんげーむかつく(地を這う声)》」
3人「「「へ?」」」
奈千佳「いや、あの人さあ、中学の頃、自分も校則違反とかしてるクセに人に対してはいろいろ言うのね。曰く《違反してもいいけど人に迷惑かけんじゃねぇよ。ただでさえ他人に迷惑かけまくって生きてんだ、減らす努力ぐらいしてみろ、猿じゃねぇんだから、このボケ!》。まー、うち解けちゃえば面白い人だしいい人なんだけどねー」
柊「それはまた随分と……」
奈千佳「当時はね……中学生のくせに髪染めてー長髪でー制服着崩してーで、先生に睨まれまくっていましたよ、あの方(遠い目)」
志乃「そんなふうには見えないけど……」
奈千佳「うん、今はだいぶ丸くなったみたいだね。そうそう、高校のころに大雨の中、屋上ではしゃいで風邪ひいたなんて聞いたよ」
夜人「……何がしたかったんだろう、それ」
奈千佳「《青春だ、青春。青い春、センチメンタル、サラダデイズ、素晴らしき青春の日々! 屋上で雨に打たれての友情、これ以上に青春があろうか、いやない! 反語! すべては青春の思い出の一頁のためだ、輝かしいアルバムの第三章ぉー!》」
三人「「「……………………」」」
奈千佳「あ、これ、その時一緒に雨に打たれてた後輩君からの情報」

 間。(吉田さんが必死の形相で話を変えろと、表情だけで訴えるので話題転換)

柊「そういえば、吉田さんって何の仕事してるんだ?」
奈千佳「それは秘密です」
夜人「……スナドリネコさんですか」
志乃「でも、普通のサラリーマンっていう感じじゃないよね」
夜人「うん。あか抜けてるって言うか」
志乃「アパレル関係とかかなあ……それで奈千佳ちゃんがデザイナーさん!」
夜人「おお!」
奈千佳「……あのー、それ、ありえないから」
柊「じゃあ、なんなんだ?」
奈千佳「っう。こ、巧妙な罠を……!(胸を押さえてしゃがむ・が、すぐに立ち直る)まあ、おおざっぱに言うと出版業界だよ」
夜人「へえ、格好良い」
志乃「じゃあ、私たちが読んでる本の中に吉田さんが関わった本もあるの?」
奈千佳「……あー、うん。あるかも」
柊「にしても、吉田さん、こんな所で遊んでていいのか?(吉田さんを見る・なぜかため息ついてる)」
夜人「そうだ、仕事とか休んでたりしたらまずいんじゃない?」
奈千佳「や。大丈夫だよ。あの人、仕事命だから大丈夫じゃないと来ないから」
志乃「それならいいけど」


吉田「……せっかく隠してるのに、自分からばらしてどうするんだ、あいつ。いつか本当にばれるぞ」


奈千佳「吉田さん、何か言ったー?」
吉田「いや、なんでもありませんよ、浜中さん」



以下、《待!次号!》




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